APH各CP

ギル菊

鷲よ、雲の彼方に羽搏け

ギルベルト×本田菊(合同誌『Kennt ihr meine Farben』)20世紀初頭パラレル明治四十四年の青山で、大正三年の青島で、大正八年の天王寺で、大正九年のサハラで。  飛行機は飛翔し、天に弧を描いた。
フラ菊

Sous une pluie d’etoiles

フランシス×本田菊 ( 「Je suis ici. 」前提 )「羨ましいなあ…」卓袱台の向こう、寝そべっているからかろうじて背中とその先の金髪と、ぴこんと跳ね上がった前髪が見えるだけのアメリカがため息をつきながら呟いた。フランスにそれが見え...
フラ菊

Je suis ici.

フランシス×本田菊 (19世紀後半~20世紀後半)1 「ちげーよ。日本が好きなのは、俺様なんだよ」さっき聞いたガムランの銅鑼の音が耳の奥に蘇った。「おう!来てたのか髭」「お久しぶりです」手を挙げる旧友の横で、切りそろえた髪を垂らして深々とお...
フラ菊

甘い弾丸

フランシス×本田菊(R18)情人の訪れを待つ時間は夏の昼下がりに似ていると思う。じんわりと体が熱くなり、ただじっと座っていることもできず、少しでも爽やかに出迎えたいと打ち水をしたり顔を洗ったりもするけれど、皮膚のあちこちからむわっと気が蒸発...
アル菊

引力とホームラン

アルフレッド×本田菊(現代・同級生パラレル)当然のように左端のボックスに向かい始めたので、慌てて声をかけた。「そこ、140キロですよ」絶対無理、とは言わない。トップクラスのプロなら平均150キロ程度の球速を維持するし、このバッティングセンタ...
ギル菊

「一つの花」

ギルベルト×菊(今西祐行オマージュ、1947普消失ネタ)一度だけお願いします。それが菊の決まり文句だった。実際、ギルベルトも暇ではなかった。まだ幼いルートヴィッヒの養育に、それを快く思わない諸邦との折衝。いくら賓客扱いだからといって、地球の...
ギル菊

「猫の話」

ギルベルト×本田菊 (梅崎春生オマージュ、1947普消失ネタ R15G)ベネディクト・アンダーソンが「国家は想像の共同体である」と説いたとき、菊ならずとも多くの国は「何を今更」と思ったにちがいない。国は実体を持たない、そんなことは菊たちには...
アル菊

不自由な僕等

アルフレッド×菊(国×国/国×人/人×人(戦後パラレル))それは未だ病床から頭の離れない菊を見舞った冬の日だった。「………人違い……?」そうに違いない。なにせ、さっき自分の目で横たわる菊を見たばかりだ。だから今アルフレッドの横をすり抜けてい...
アサ菊

Tempora mutantur, et nos mutamur in illis.

アーサー×菊 (続「我等が我等であった日々」)国同士の会話に言語の壁はない。とはいえ国同士との会話だけで外交は成立しないから、国際公用語たる英語、フランス語あたりは耳慣れしておかなければならないと菊は諭され、開国後しばらくの間、その顔を見る...
アサ菊

我等が我等であった日々

アーサー×菊真面目一方だと思っていた菊の意外な一面を見たのは、個人授業の時だった。「………ひとごろし……?」「は?」なぜその発言がでてきたのか全くつかめない、どちらかというとロマンスの話をしていたのではと眉をしかめると、菊は微かに傾けていた...