APH各CP

アサ菊

なぐさめの形 ver.K

アーサー×菊(高校生パラレル) コミュ障入ってるなんてツイートを見るたびに口を引き結んでしまう。どういう段階だと「入る」なのだろう。所謂リア充の(と想像される)子でもそんなことを呟いたりするけれども、前後の文脈からすれば「友達と上手く絡めな...
アル菊

そこに写る不在

アルフレッド×菊(養子パラレル、1951年頃。死要素あり)続「やっと、泣くことができた」 泣き叫べばあのときのように引き留められるというのなら、体中の水分を全て出し尽くしてもかまわなかった。  その立場になってみて初めてわかる――なんて言い...
アル菊

やっと、泣くことができた

アルフレッド×菊(養父アル(27くらい)子菊(15くらい)パラレル。1948年頃)。※死要素あり。 「菊。きーく」階下から私を呼ぶ声がきれぎれに届き、本を閉じた。とんとんと階段を下りるとドアの外からまた名を呼ばれる。「はい、今」ドアを開ける...
フラ菊

掌の中の

フランシス×菊(1936) この手の小ささが悔しかった。ずっと。 * 西日本の最高峰、石鎚山の表参道には全長二百メートルを越す鎖場がある。最大傾斜七〇度の急斜面を登るよすがとして、五〇センチほどの鉄棒を鎖状につなぎ垂らしてある。一度登り始め...
フラ菊

ニルマル・ヒルダイ

フランシス(・ギルベルト・アントーニョ)×本田菊(近未来パラレル) 何とか付属何とかと言う長ったらしい名前があったのだが、誰もそんな名前で呼ばない。眼下一面に海が広がるその施設には、俺たちと、菊がいた。 「今日朝メシ何だろ?」 廊下の突き当...
アル菊

そこより芽吹く

アルフレッド×本田菊(R18)  八つ当たられ体質とでも言うのだろうか、理不尽に思える譴責を受けることが間々あって、体だろうが心だろうが、多少の痛みを受けることには慣れてしまった。だから平気なのですと、そんな言葉を免罪符にして、この関係は始...
ギル菊

The long and winding road 2

ギルベルト×本田菊(高校生パラレル、連作その2) ―――またか。樺と思われる林の中に立っていることに気づいた菊は、がっくりと項垂れた。魔法を使うなら使うで、もう少し精度を上げてくれないものか。ただ夜露が肌寒く思わせるだけじゃない、この植生は...
フラ菊

The long and winding road 3

フランシス×菊(高校生パラレル、連作その3) 痛みは、熱さとして感じられた。足が燃え尽きてしまうかと思うほどの熱が引いた後、今度は猛烈な寒さに襲われた。血とともに体温が流れ出していく。これは夢だ。何度もそう自分に言い聞かせた。現代の日本に戦...
ギル菊

Le vent se leve, il faut tenter de vivre

ギルベルト×本田菊(「風立ちぬ」とのクロスオーバー) 「煙草、如何ですか」  突然隣から声を掛けられ、驚いて振り向くと、すぐ脇でデッキに腰を下ろしていた男がそっと箱を差し出していた。あるはずだった最後の一本が出てこない、出てこないと紙の箱を...
ギル菊

鷲よ、雲の彼方に羽搏け

ギルベルト×本田菊(合同誌『Kennt ihr meine Farben』)20世紀初頭パラレル 明治四十四年の青山で、大正三年の青島で、大正八年の天王寺で、大正九年のサハラで。  飛行機は飛翔し、天に弧を描いた。