ギル菊

ギル菊

melt

ギルベルト×本田菊(現代パラレル ※菊に特殊設定あり) 緯度を十七度も下るから当然暑くなる、加えて、太平洋高気圧からくるモンスーンのせいでイタリアのような爽やかな日光浴はできない。知っている、よく知っている。住民である弟も毎年数値つきで東京...
ギル菊

冬について

ギルベルト×菊(消失普追憶/「桜前線兄さん」)  足先からといえば誰しも親指か小指を思うだろうに、薬指から春は来る。 男のとはいえ足の爪、まして薬指のそれはあまりにも小さく、手の指一つ重ねれば全て覆い隠せてしまう。まだ冷たい縁側に腰を下ろし...
ギル菊

ヘタリアde秋ご飯・栗

ギルベルト×菊(東西統一で普消失) 北陸の何県とだったか、一緒に冬の道を歩いていて、突然立ち止まられたことがある。――かさかさって、本当に言うんですね――?一歩遅れて足を止め、小首を傾げると、彼女は軽く足踏みをした。足の下で枯れ葉が擦れて音...
アサ菊

執筆されない話たち

Twitterの「いいねの数だけ制作予定の無い話の台詞や一節を載せるいいねした人もやろうぜ」というタグで書いたヘタリアSS未満をまとめておきます。「制作予定がない」というよりは「制作予定があったのだけど、このまま書かないままになりそうな話」...
ギル菊

The long and winding road 2

ギルベルト×本田菊(高校生パラレル、連作その2) ―――またか。樺と思われる林の中に立っていることに気づいた菊は、がっくりと項垂れた。魔法を使うなら使うで、もう少し精度を上げてくれないものか。ただ夜露が肌寒く思わせるだけじゃない、この植生は...
ギル菊

Le vent se leve, il faut tenter de vivre

ギルベルト×本田菊(「風立ちぬ」とのクロスオーバー) 「煙草、如何ですか」  突然隣から声を掛けられ、驚いて振り向くと、すぐ脇でデッキに腰を下ろしていた男がそっと箱を差し出していた。あるはずだった最後の一本が出てこない、出てこないと紙の箱を...
ギル菊

鷲よ、雲の彼方に羽搏け

ギルベルト×本田菊(合同誌『Kennt ihr meine Farben』)20世紀初頭パラレル 明治四十四年の青山で、大正三年の青島で、大正八年の天王寺で、大正九年のサハラで。  飛行機は飛翔し、天に弧を描いた。
ギル菊

「一つの花」

ギルベルト×菊(今西祐行オマージュ、1947普消失ネタ) 一度だけお願いします。 それが菊の決まり文句だった。実際、ギルベルトも暇ではなかった。まだ幼いルートヴィッヒの養育に、それを快く思わない諸邦との折衝。いくら賓客扱いだからといって、地...
ギル菊

「猫の話」

ギルベルト×本田菊 (梅崎春生オマージュ、1947普消失ネタ R15G) ベネディクト・アンダーソンが「国家は想像の共同体である」と説いたとき、菊ならずとも多くの国は「何を今更」と思ったにちがいない。国は実体を持たない、そんなことは菊たちに...
ギル菊

運命は斯くの如く扉を叩く

ギルベルト×本田菊(続「救済者に救済を」) 街頭テレビの人だかりの中に頭一つ飛び出た人影を見つけ、菊はうろうろとさまよわせていた眼をほころばせた。身長も顔立ちも、髪の色さえ違うのに、なぜ馴染んでいるんだ、あの人は。ギルベルトさん、との呼びか...